エルサルバドル!ビットコインの法定通貨化、成立ちからその後

エルサルバドル!ビットコインの法定通貨化、成立ちからその後

エルサルバドルは如何にして形のない”通貨”「ビットコイン」を法定通貨として定めたのか、是非ご覧ください。

エルサルバドルはどんな国?

エルサルバドル共和国(通称:エルサルバドル、首都:サンサルバドル)は、中央アメリカ中部に位置するラテンアメリカの共和制国家です。北西にグアテマラ、北と東にホンジュラスと国境を接しており、南と西は太平洋に面しています。中央アメリカ5か国のうち唯一カリブ海に面していない国です。

歴史的に国土の開発が進んでいたこともあり、人口密度では米州最高です。 面積は21,040k㎡(約東京ドームの450個分)、人口は676.2万人で人口密度は321.4人(日本の人口密度は約339人)、千葉県くらいの人口規模です。因みに、日本と同様エルサルバドルは火山国として有名で地震が多い国です。1986年と2001年に大きな地震があり、多くの犠牲者を出しています。

ラテンアメリカ諸国の中エルサルバドルは親日国で、比較的まじめで勤勉な国民性を持ち、起業家精神にあふれ勤勉な国民性から「中米の日本」という呼び名がついています。コーヒーの産地として大変有名で、大規模なコーヒー農園もあり、オーソドックスなコーヒーから希少品種のコーヒーまで栽培しています。しかし、エルサルバドルは1969年7月に隣国のホンジュラスとサッカーの試合がきっかけで軍隊同士が衝突し、”サッカー”戦争を引き起こしました。

ホンジュラスとの戦争後、エルサルバドルの経済、政治ともに不安定が続き、軍事クーデターも発生し、1992年まで7万5,000人を超える犠牲者を出したエルサルバドル内戦が勃発しました。

1992年、国際連合が仲介に入り、国連平和維持活動(PKO)として国際連合エルサルバドル監視団が派遣される働きかけがあり内戦が終結しました。1994年には選挙が行われ、国民統合のための大連合 (GANA) よりも多く投票数を得て、右翼政党民族主義共和同盟(ARENA)による新たな政権が誕生しました。

大統領はどんな人?

現任大統領は2019年の大統領選挙に立候補し、当選したナジブ・アルマンド・ブケレ・オルテス大統領(以下ブケレ氏)です。

母:オルガ・オルテス・デ・ブケレと父:アルマンド・ブケレ・カッタンの間に、首都サンサルバドルで生まれました。知日家で早くから起業家精神にあふれ、18歳で会社を設立(ヤマハ発動機のエルサルバドルにおける販売代理店)、ヤマハ・モーターズ・エルサルバドルのオーナーを務めていました。

以下一部Wikipediaより引用

2019年ブケレ氏は既成政治を打ち破る無所属候補として大統領選に立候補するため、政党結成に向けて手始めにヌエバス・イデアス(あらたな理想)という政治運動をはじめました。

新党結成や他党との合流といった試みは、左翼のFMLNと右翼のARENAという二大政党からの妨害にあったが、最終的に中道右翼の「国民統合のための大連合」 (GANA) に加入することで大統領選挙への立候補資格を得ました。

2019年2月3日、ブケレ氏は大統領選挙の勝利宣言を行い、対立候補であったFMLNのウーゴ・マルティネスは敗北を認めました。ブケレ氏の得票率は53%で、決選投票が必要な水準を上回っていました。エルサルバドル内戦終結以降、二大政党以外から大統領が誕生したのは初めてでした。勝利宣言で、ブケレ氏は「我々は戦後史の1ページを刻した」と述べ、大統領には6月1日に正式に就任しました。

2019年11月29日、13年ぶりにエルサルバドルの大統領が訪日しました。(当時)安倍総理大臣は歓迎し、日本とエルサルバドルは基本的価値を共有するパートナーである旨を強調するとともに、ヤマハ販売店のオーナーも務めた知日家のブケレ氏との間で、友好関係の発展や地域情勢について話し合い、ブケレ氏から、日本とエルサルバドルの間には85年近い友好関係の歴史があり、日本からの支援に感謝している旨を述べました。

エルサルバドルの法定通貨は?

1892年8月28日、サルバドール・ペソに代わって法定通貨となったのは サルバドール・コロン(Salvadoran colón) でしたが、2001年1月1日、アメリカドル化政策の一環として「通貨統合法」が施行され、米ドルが導入されました。為替レートは1ドル=8.75 サルバドール・コロン(Salvadoran colón)でした。当時、サルバドール・コロンと米ドルのどちらも法定通貨として認められていましたが、2004年にサルバドール・コロンは流通が停止したため事実上廃止されていました。

これでエルサルバドルは自国通貨を持たず、米ドルが唯一の法定通貨になりました。自国通貨を持たないため、通貨発行、管理等のコストがない利点がありますが、自国通貨を利用する金融政策を実施できず、さらに米ドルのインフレで所有する米ドル資産価値が徐々に目減りしていきます。

ビットコインが法定通貨なるまでの経緯は?

エルサルバドルでは2019年から「ビットコイン・ビーチ」というビットコインを使った社会実験が行われ、大成功を収めています。実験が行われているのは、エルゾンテという海岸沿いの小さな村で、そこに世界のサーファーたちに人気の高いビーチがあります。

「ビットコイン・ビーチ」という社会実験が実現できたのは2019年、ある匿名寄付者による10万ビットコインの寄付でした。匿名寄付者はこのビーチの愛好者で、「現金に換金せずに、仮想通貨を学んで、そのまま活用してほしい」という条件を設け、街で送金や決済する機能をビットコインで行うと考案しました。

もともと多くの村人は銀行口座やクレジットカードを所有していなかったが、今では村人はビットコインの決済方法に慣れて、この村ではあらゆる決済はビットコインで支払われています。

現金を使わないので、現金を所持して移動中に盗まれたり、殺されたりする治安上のリスクもなくなります。エルサルバドルは戦争地帯以外で治安が最も悪い国といわれていたが、2020年の殺人件数は過去最低を記録、前年比で62%も減少しました。

2019年にエルサルバドルの大統領になったブケレ氏はビットコインの強い支持者で、2021年6月4~5日に米マイアミで開催された仮想通貨のイベント「ビットコイン2021」に寄せたビデオメッセージで、「ビットコインを法定通貨とする法案を来週国会に提出する」と伝えました。

ブケレ氏の発表によると、国民の70%が銀行口座を保有していません。また同国のGDP(国内総生産)比16%相当の海外送金受領がある一方、世界一治安が悪いと言われています。そこで送金コストが安く、現金より安全に管理できるビットコインに目をつけました。ビットコイン利用は強制でないとしながらも、金融サービスの利用増や他国からのビットコイン流入増を促進し、他国通貨への依存から独立ができ、結果的に経済成長が期待されます。

「ビットコイン2021」で世界を震撼したその発表後、ブケレ氏は2021年6月6日、ツイッターのプロフィール写真を「レーザーアイ」に変更し、ビットコイン支持者であることを明確に示しました。

レーザーアイとは?

「レーザーアイ」とは、ツイッターのプロフィール顔写真の目にレーザー光線をつけ、ビットコインや仮想通貨への支持を表明すること。
2021年2月から、#LaserRayUntil100Kというハッシュタグも作られ、ビットコインの価格を10万ドルに上げるという思いで、レーザーアイはビットコインコミュニティで流行っていました。

2021年6月8日、ブケレ氏は国会でビットコインを法定通貨として採用する「ビットコイン法」という法案を提出し、同日国会で可決されました。

しかし、エルサルバドル国内で否定的な意見は少なくありませんでした。エルサルバドル商工会議所の調査によると、90%以上の回答者がビットコイン導入に懐疑的であり、3/4の回答者が引き続き米ドルを使うと明言しています。また、フランシスコガビディア大学の調査では、44%が「仮想通貨の導入により経済が悪化する」と回答したそうです。

環境問題についてもビットコインはマイニング(採掘)に大量の電力を消費し、環境に負荷を与える点が最近では問題視されています。それに対しブケレ氏は国内火山の地熱を利用したビットコインのマイニングも視野に入れていると説明しました。

ビットコイン法とは?

ビットコイン法とは「雇用機会を生み出し、真の金融包摂(=ファイナンシャル・インクルージョン:全ての人が金融サービスの恩恵を受けられるよう支援すること)を促進し、経済的ダイナミズムを生み出す」ことを目的とし、ビットコインを法定通貨として認めた「ビットコイン法(Ley Bitcoin)」

  • 第1条 法律の目的は、ビットコインを法定通貨として規制することであり、あらゆる取引が無制限であり、人々が必要とするあらゆる権利は制限されません。
  • 第2条 ビットコインと米ドルの間の為替レートは、市場によって自由に設定されます。
  • 第3条 すべての価格はビットコインで表される場合があります。
  • 第4条 税金の拠出はビットコインで支払うことができます。
  • 第5条 ビットコインとの交換は、法定通貨のようにキャピタルゲイン税の対象にはなりません。
  • 第6条 会計上の目的で、ドルが参照通貨として使用されます。
  • 第7条 すべての経済主体は、商品やサービスを購入する人からビットコインを提示された場合、支払い手段としてそれを受け入れなければなりません。
  • 第8条 民間部門の行動を害することなく、州は、ユーザーがビットコイン取引を実行できるようにするだけでなく、必要に応じてビットコインをドルに自動的かつ即座に変換できる代替案を推進します。
  • 第9条 国が提供するビットコインから米ドルへの自動かつ瞬時の変換の代替案の制限と運用は、この目的のために発行された規則で指定されます。
  • 第10条 行政機関は、この法律を適用するために必要な制度を設けます。

ビットコインを法定通貨にすることによる一番大きなメリットの一つは、金融包摂(誰もが取り残されることなく金融サービスの恩恵を受けられること)の達成でしょう。現在70%のエルサルバドル人が銀行口座を持っておらず、金融サービスを受けられない状態にあると推定されています。ビットコインは、原則的には銀行など仲介業者を介さずにP2P(ピアツーピア)で取引が可能で、世界中の誰に対してもオープンであることが特徴です。このため、銀行口座を持たない多くの人々がビットコインを経由することで経済・金融活動に参加できるようになり、ブケレ氏も上記の点を強調しています。

同法案が賛成多数で可決され為90日を経て2021年9月7日からビットコインが法定通貨となります。

世界各機関の意見は?

「ビットコイン法」 発表直後、仮想通貨業界や支持者から大きな歓喜の声は広がったが、市場の反応は冷ややかなものでした。ビットコインの価格は24時間ベースでは事実上横ばい、14日ベースでは3.5%の下落という結果になりました。

国際通貨基金(IMF)は、エルサルバドルがビットコインを法定通貨とすることを決定したことについて、法的・財政的な懸念が生じる可能性があると述べました。IMFのジェリー・ライス報道官は、「ビットコインを法定通貨として採用することは、非常に慎重な分析を必要とするマクロ経済的、財政的、法的な問題を引き起こす」と述べました。「我々は動向を注視しており、当局との協議を続けていく」と話しています。

ライス氏は、各国がデジタル通貨を導入することについて、しばしば懸念を表明してきました。2021年3月には、マーシャル諸島がデジタル主権通貨「SOV」を法定通貨として認めていることに対して、同様の法的・財政的リスクが生じる可能性があるとして、警告を発しています。マーシャル諸島経済はコロナウィルスによるパンデミックの影響で疲弊しており、SOVでは改善されない可能性が高いと述べました。

2021年に32億ドルの財政赤字になると予想されているエルサルバドルは、10億ドルの資金調達プログラムについてIMFと交渉しています。

・JPモルガンは、エルサルバドルが法定通貨としてビットコインを採用しても、経済的利益はほとんどないとコメントしています。「2000年代初頭のドル化と同様、この動きは安定化させようという動機で行われたとは思えないが、成長志向のものだ。しかし、ビットコインを第2の法定通貨として採用することによる具体的な経済的利益を確認することは難しい。またこれはIMFとの交渉を危うくする恐れがある」

ジョンズホプキンス大学の経済学者スティーブ・ハンケ氏は、エルサルバドルがビットコインを法定通貨にすることで「経済が完全に崩壊する」可能性があると警告しました。2021年6月15日、金融ニュースプロバイダー「Kitco News」に登場したハンケ氏は、ロシアや中国などのビットコインホドラーが、エルサルバドルをターゲットに保有しているビットコインを現金化できるようになると指摘しました。

ハンケ氏は、「エルサルバドルが保有するドルが消えてなくなり、国のお金が枯渇してしまい、経済が完全に崩壊する可能性があります。彼らは国内通貨を持っていない」と語り、ブケレ氏のビットコイン法案に賛成票を投じた議員のことを「一言でいえば、馬鹿げている、エルサルバドル人の70%は銀行口座さえ持っていない」と述べ、ほとんどの市民が現金に依存している国で、ビットコインが毎日の取引で使える法定通貨として機能するのは大いに疑問だと語りました。

・世界銀行(世界銀行:貧困削減と持続的成長の実現に向けて、途上国政府に対し融資、技術協力、政策助言を提供する国際開発金融機関)は、法定通貨としてビットコインを採用しようとしているエルサルバドルからの支援要請を拒否しました。エルサルバドルからの支援要請を拒否した理由として、ビットコインは環境への影響と透明性に関する問題を挙げました。

世界銀行は「ビットコインの支援を求めて私たちにアプローチしたが、環境と透明性の欠如を考えると、これは世界銀行がサポートできるものではない」と言明しましたが、「通貨の透明性と規制プロセス」を含むほかの方法でエルサルバドルを支援することができるとも述べています。

格付け会社フィッチ・レーティングスはエルサルバドルに対し、ビットコインを法定通貨として採用しないよう警告しました。為替リスクの他に規制や営業リスクから信用面でのマイナスになると主張しました。また、ビットコインの高いボラティリティ(株価や通貨の値動きの変動率)と市民の運用リスクについて警告し、さらにエルサルバドルが信用度の低い有価証券に継続的に投資していることを指摘し、「高リスク資産の追加保有は、このリスクをさらに高めることになる」と述べました。

そして2021年9月7日

2021年9月7日、仮想通貨歴史上重要な記念日になりました!
エルサルバドルはこの日からビットコイン法を施行し、ビットコインは法定通貨になりました!

自国通貨がないエルサルバドルの中央銀行は、一般的な中央銀行とは異なり、政策金利(金融緩和、金融引き締め)や公開市場操作(買いオペ、売りオペ)などが実施出来ないが、それらが今後どのようにビットコインに取って代わるのか、全世界から注目を集めています。

日本の外務省ホームページ【エルサルバドルの基礎データ】について、法定通貨は”米ドル””ビットコイン”と記載されました。

エルサルバドル政府はビットコインを3″枚”投資した人がエルサルバドルで永住権を取得できると発表し、カリフォルニアに拠点を置くBitGo社によって開発された「CHIVO」という公認の電子財布を導入し、利用ボーナスとして30ドル分のビットコインを配布しています。さらに仮想通貨のATMを運営する米アテナビットコインと協力し、エルサルバドル国内のショッピングセンターに13台のATMを設置しました。

しかし9月7日当日 、ビットコインは一時17%も下落しました。政府が導入した電子財布 「CHIVO」 のアプリがわずか8時間でアップルのAPPストアで金融カテゴリーの一位になりましたが、一時ダウンロードできなくなるトラブルが起きたほか、「CHIVO」の技術的問題によりアクセスを一時停止しました。このことが瞬間的な暴落の引き金になったと見られ、アルトコイン市場にも影響を及びました。後に問題は解決し、エルサルバドルでビットコインを使った商品購入などが可能になりました。ビットコインの下落は国際通貨基金(IMF)の反対声明も一因となり、ブケレ氏はこの暴落でエルサルバドル政府が150BTCを追加購入し、暴落によってビットコインの購入に100万ドルを節約できたと”助けた”IMFに”感謝”するツイートをしました。

ビットコイン採用の続報

ビットコイン法によると、決済する際に支払い側はビットコインかドルかを自由に選択できますが、受け取り側はビットコインでの支払いを拒否することはできません。ビットコイン法が実施された直後に、混乱や戸惑いもありましたが、ビットコインでの決済は徐々に広がっています。エルサルバドル最大の銀行バンコアグリコーラはFlexa社と協力し、銀行のネットワークでローンやクレジットカードなどの支払いにビットコインを受け入れる準備も進めています。

エルサルバドルに続きクアドルキリバスなど自国通貨がない国、ウクライナブラジルパラグアイなど、複数の国がビットコインの法定通貨化の関心を表明しています。

エルサルバドルと同じ中南米にあるパナマでもGabriel Silva議員は2021年9月6日、仮想通貨法(草案)を提出、パナマを仮想通貨・ブロックチェーン、そして最先端インターネットといったデジタル経済に対応した国にすることを目指しています。ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨の商業利用を認めるほか、銀行などの既存インフラにおけるブロックチェーン技術の導入を推進する狙いがあります。「他国の類似法案とは違い、同法案は”仮想通貨の商業・決済利用を強制するものではない”」と強調し、仮想通貨の利用を自由に認めるものであると説明しました。

ビットコインの利用状況

2021年9月、ビットコインは一時68,500ドルまで値上がり、エルサルバドル国民の資産も一気に増えました。ブケレ氏のツイートによると、既に国民の半数に当たる300万人がビットコインのウォレット 「 CHIVO 」 を使っているそうです。CHIVOは、手数料無料でビットコインと米ドルの送金と支払いをユーザーに提供しています。

2021年10月16日、「 CHIVO 」を利用した1日当たりの送金件数が2万4,076件となり、総額306万9,761ドル(約3億5,000万円)に達したことをツイッターで発表しました。

2022年7月7日、エルサルバドル中央銀行のダグラス・ロドリゲス総裁は地元のテレビニュース番組Frente a Frenteで、海外に住んでいるサルバドル人が2022年1月から5月にかけて「CHIVO」で5200万ドルの送金をしたと明かしました。

2020年初頭と比較すると、エルサルバドルや他の国でビットコインの普及により、ビットコインネットワークの1日の決済額は40倍に増加しました。ビットコインのネットワークは、現在1秒あたりに約19万ドルの取引を行っており、対照的に米国顧客向けのVisaは1秒あたり13万ドル、Mastercardは1秒あたり5万5千ドルとなっています。

ビットコインの保有量

エルサルバドル政府はビットコインが下落・暴落する度に「押し目買い」をしてビットコイン保有量を増やしてきました。さらに多くの購入を約束し、その約束を守っています。これまでの購入履歴は以下の通りです。最初の購入は同国でのビットコイン法施行に併せて実行されていました。

信託設立(2021年9月7日)
200BTC(   〃    ) 平均取得価格 46,700ドル
200BTC(   〃    ) 平均取得価格 46,800ドル
150BTC( 2021年9月8日) 平均取得価格 46,300ドル
150BTC( 2021年9月20日) 平均取得価格 43,100ドル
420BTC( 2021年10月28日) 平均取得価格 58,800ドル
100BTC( 2021年11月26日) 平均取得価格 54,200ドル
150BTC( 2021年12月4日) 平均取得価格 48,670ドル
21BTC( 2021年12月22日) 平均取得価格 49,300ドル  ※
410BTC(2022年1月22日) 平均取得価格 36,585ドル
500BTC(2022年5月10日) 平均取得価格 30,744ドル
80BTC(2022年7月1日) 平均取得価格 19,000ドル  合計2,381BTC

※エルサルバドル政府は2021年12月22日、21BTC買い増しを発表しました。「21」という数字は、エルサルバドルの国土面積が21,040 km2であり、ビットコインの最大供給量が2,100万BTCであることから、「21」にちなんで21日21時21分に実施すると説明しました。

ビットコインATM設置数ランキングで世界3位に

ビットコインATMの設置数ランキング(2021年9月時点)

1.米国
2.カナダ
3.エルサルバドル
4.英国

エルサルバドルは9月にビットコインを法定通貨として正式に採用後、200台以上のビットコインATMを設置した結果、英国を超え、3位にランクアップしました。エルサルバドルのビットコインATM数は南米の70%を占めています。世界中で現在約30,000台のビットコインATMが稼働中で、平均一日約70台のビットコインATMが世界中に新設されています。

銀行口座よりもビットコイン財布が多い地球上唯一の国

エルサルバドル国内でビットコインウォレット「 CHIVO 」を使用している人口は、9月7日以降、最初の10日間で100万人以上に達しました。エルサルバドルでは銀行口座を持たない人口がかなり多く、 「 CHIVO 」 のおかげで彼らは金融サービスの取引をできるようなりました。ブケレ氏はツイッターで2021年11月15日の時点で、銀行口座を持っている人よりも 「 CHIVO 」 を使用している人が多いことを発表しました。

約250万人口在米エルサルバドル人による家族送金は約59.18億ドル(2020年)にのぼり、GDPの23%に相当し、エルサルバドル経済の下支えとなっており 、「 CHIVO 」 により送金をすれば手数料も著しく節約できます。

未来都市「ビットコインシティー」建設へ

ブケレ氏は2021年11月21日、世界で初となる「ビットコインシティー」を建設することを発表しました。
ビットコインシティーはエルサルバドル東部海岸沿いのラ・ウニオンに建設され、ビットコインのロゴのような円形になるという構想で、中央に「B」の文字を模った商業施設などを建設する予定です。
また所得税、キャピタルゲイン税、不動産税、給与税、地方税をゼロとし、海外のテクノロジー企業を誘致します。10%の消費税以外は無税となる見通しで、大胆な優遇税制で「中南米のシンガポール」を目指す予定です。

ビットコイン債券の法案策定へ

エルサルバドルの財務大臣が2022年1月4日、ビットコイン債券の実現に向け法案を整備中であることを明らかにし、仮想通貨関連の有価証券の発行などに関わる法案を20件程用意していると述べました。ブロックチェーン企業Blockstreamと連携し、10億ドル(約1,100億円)分のビットコイン債券を発行することで、仮想通貨推進特区「ビットコインシティ」の設立資金に充てる構想です。調達した資金の半分はビットコインの購入にあて、5年後にビットコインが大きく上昇すると見込んでいるため、高いリターンで投資家に還元できると予想されています。

ビットコインシティはエルサルバドルが豊富に抱える火山を利用した地熱マイニングを行う地域です。そのため、ビットコイン債券は「火山債券」とも呼ばれています。ブケレ氏は2021年1月4日、ツイッターでこの法案策定について「経済と国家がビジネスを行う完全なる革命です。自由を求めている人:ここが来るべき場所です」と語りました。

中小企業に低金利ビットコイン建ローンを提供へ

エルサルバドル政府関係者は2022年1月20日、仮想通貨を活用して中小企業に銀行より低金利のビットコイン建ローンの提供を検討していることを明らかにしました。

技術・経済・国際情勢担当のMónica Taher氏によると、銀行口座を持てない中小企業が120万社を超えており金融包摂が課題となっています。多くの中小企業は非公式融資など自己資金を調達し、高金利のローンを強いられています。

ビットコイン建ローンは政府が推進している 「CHIVO」 仮想通貨財布経由で実施する予定です。

企業は資金調達のエントリーポイントを必要とします。ビットコインはその機会です。

ビットコイン債券

エルサルバドルのAlejandro Zelaya財務大臣は2022年2月8日、仮想通貨ビットコインに裏付けられた「債券」を3月中旬に発行開始する予定であることを明らかにしました。

Zelaya大臣によれば、募集額は10億ドル分(1,200億円)と計画されたが、募集額を超える需要は最低でも5億ドル(600億円)があると予想しました。

募集額を上回る需要がある理由についてZelaya大臣は、一口100ドル(約1万円)から投資できるというハードルの低さを指摘しました。

ビットコイン債券は、ブケレ大統領が2021年秋初めて構想を披露した、年率6.5%の10年債です。5年のロックアップ期間が設けられる予定で、ブロックチェーン開発企業Blockstreamと連携して提供します。

2022年3月、エルサルバドルは当初3月中旬に予定されていた発行開始を9月まで延期すると発表しました。ウクライナ戦争による地政学的な不安定さや議会の立法上の遅れが遅延の主な理由として挙げられました。米フィナンシャル・タイムズの報道によると、ビットコイン債券の事前入札総額がすでに約15億ドルに達し、約50%超過になっています。また、二次取引が開始されたときに仮想通貨取引所Bitfinexで取引される予定となっています。

2022年9月、ビットコイン債券は再び延期され、発行が2022年末になると報道されました。

2022年発展途上国ビットコイン会議

エルサルバドルで2022年5月17日から3日間かけて、発展途上国ビットコイン会議が開催され、44カ国からの中央銀行代表は会議に出席し、金融包摂、中小企業のビットコインによる資金調達などについて議論する予定です。

会場では、ガーナ、ブルンジ、ヨルダン、モルディブ、パキスタン、コスタリカなどの発展途上国の中央銀行代表たちはビットコイン支払いの送金方法や財布の作成方法を熱心に学んでいました。

エルサルバドルに続き、2022年4月にビットコイン採用を発表した中央アフリカ共和国は世界で2カ国目となりました。エルサルバドルのブケレ大統領は、この国際会議で「種をまいている」とツイートし、将来さらにビットコインを採用する国が出ると予想されます。

ビットコインの法定通貨導入から1周年

2022年9月7日、エルサルバドルが世界で初めてビットコインを法定通貨として採用してからちょうど1年が経ちました。エルサルバドル政府は過去一年間購入したビットコインで巨額の含み損を抱え、伝統的な金融界から絶え間ない批判を受けながら、コロナパンデミックと世界中の経済不況の中で以下の驚くべき結果を達成しました。米大手投資銀行モルガン・スタンレーは現在、投資家にエルサルバドル国債の購入を推奨しています。

  • GDP10.3%増
  • 輸出19.5%増
  • 観光業収入30%増
  • 投資目的の送金70.2%増
  • 個人向け送金3.3%増
  • 経済活動量4.3%増
  • 民間部門投資は2021年GDPの18.4%に達し、1960年以来最高

ビットコイン採用は”無謀”か”先見”か?

前述のように世界の各機関からエルサルバドルのビットコイン採用について反対や懸念を表明していますが、ブケレ氏は動揺せず、確実にビットコインに関する施策を次々と打ち出しています。また2021年末までビットコインの上昇でエルサルバドルが保有しているビットコインは利益が出て、その利益を使用して国の福祉を充実しています。

2021年10月、エルサルバドル政府はビットコイン口座から400万ドルを支出して、首都サンサルバドルに新しい獣医病院を建設すると発表しました。

さらに2021年11月、ビットコインで得た利益の一部を使用し、20か所に学校を建設すると発表しました。これらの学校は地元の人々への仮想通貨教育もサポートしていくそうです。

ブケレ氏はビットコインの絶対信者で、ビットコインが未来の通貨であると確信しており、ビットコインの価値を米ドルで評価せず、代わりにビットコインの価値はビットコインで測るべき、つまり、1 BTC = 1 BTC だと考えています。

ブケレ氏は2021年12月23日、ツイッターへの投稿で、ビットコインの優位性に対する同大統領の信念を改めて強調しました。

国際機関から「 ビットコイン実験」と呼ばれているのは、ビットコインがこの国の経済をどのように変えるか、全世界が注目していることにほかなりません。
それが良い方向に向かえば、法定通貨はゲームオーバーです。
エルサルバドルは、真の革命に火をつける火種です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの中に米政府がドルを大量増発し、39年ぶりの高いインフレを起こし、増発した分は米国の所有になりますが、他国持っているドル資産価値が徐々目減りしていきます。自国通貨を持たない国はドルの代わりにビットコインを法定通貨にすることによって、米ドルのインフレによる資産価値減少は避けられます。この点でエルサルバドルのビットコイン採用は評価され、世界中に自国通貨を持たない国々もエルサルバドルの発展に注目しています。

2022年1月2日、ブケレ氏はツイッターで2022年のビットコインに関する5つの予測を公開しました。

■ ビットコイン価格は10万ドルに達する

■ さらに二つの国はビットコインを法定通貨として採用する

■ 今年の米国中間選挙では重要な選挙議題になる

■ エルサルバドルのビットコインシティの建設が始まる

■ エルサルバドルの火山債は募集額以上に応募が殺到する

2022年1月25日、国際通貨基金(IMF)は年初以来ビットコイン価格が下落している中に、エルサルバドルにビットコインの法定通貨化を撤回するように要請しましたが、ブケレ大統領はビットコインに対する信念が揺ぎ無く、1月31日にツイッターで、ビットコインが2,100万枚の供給に限られているために、長期的に価格が著しく上昇すると予測しました。

ブケレ大統領は、ビットコインの希少性について、「全世界にいる5000万人以上の億万長者がそれぞれ少なくとも1つのBTCを所有したいと思った場合、十分なビットコインはない、半分でも足りないです。劇的な価格上昇は時間の問題です」と述べました。

ブケレ大統領は2022年2月20日、52の法改正のリストを議会に送っていることをツイッターで明らかにしました。法改正の内容として、ブケレ大統領は、役所業務の撤廃、官僚主義の削減、税制優遇措置の創設、そして最も重要なことは、同国に投資しようとしている外国人に市民権を提供することを提案しました。ブケレ大統領は、世界が「専制政治」に陥っている今、エルサルバドルを最も自由を重視する国のひとつにすると約束し、また同国が2021年の国内総生産(GDP)成長率10.3%と史上最高を記録し、さらに2022年1月の対外輸出が2021年1月より13%も上昇したと伝えました。

エルサルバドル観光大臣モレナ・バルデスは2022年2月21日に地元の通信社に、エルサルバドルが2021年9月にビットコインを法定通貨に採用して以来、地元の観光業は30%以上急増していると述べました。エルサルバドル政府は観光客数を110万人と見込んでいたが、実際に140万人に達し、外貨収入も急増しました。バルデスは、エルサルバドルのビットコイン採用が観光客の流れにも影響し、ビットコイン法が実施される前は、訪問者の大半が中米の近隣諸国から来ていたが、今、観光客の60%が米国から来たと語りました。

エルサルバドルは、2021年9月にビットコインを法定通貨として正式に採用したことで、仮想通貨(暗号資産)の歴史だけではなく人類の通貨の歴史に新たなる1ページを刻みました。世界中はコロナウィルス禍により高インフレ、商品価格の上昇、企業収益の低下、雇用環境の悪化などのマクロ環境要因は、ビットコインなどの資産価値の追い風であり続ける可能性があり、ブケレ氏の予測通りに進めば、 エルサルバドルは他国よりも高度の経済成長、国家繁栄になり、ビットコイン採用が大成功になり、さらにエルサルバドルを追随する国も徐々に現れると予想されます。逆にビットコインの暴落によるエルサルバドル国内資産価値低下、経済混乱が発生した場合、ビットコイン採用が失敗に終わる恐れがあります。2022年初以来ビットコイン価格が低迷している状態では、エルサルバドルは厳しい試練を強いられています。エルサルバドルはこの試練を乗り越えられるかは全世界から注目されています。


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