ビットコイン:人類史上最高の通貨?

ビットコイン:人類史上最高の通貨?

2007年から2008年の世界的な金融危機の後、ビットコインが2009年1月に未だに正体不明なサトシ・ナカモトにより発明され、誕生しました。ビットコインは13年の歴史の中で、いくつかの危機を乗り越え、著しく成長、普及し、既に主流の金融システムに浸透しつつあります。2021年9月7日に中南米のエルサルバドル共和国は世界初ビットコインを法定通貨に採用しました。ビットコインは将来世界共通通貨になる大きな可能性を秘めていますが、未だにビットコインを懐疑的に見ている人は多いです。通貨の歴史、通貨の本質、ビットコインの原理を理解すればその見方も変わるでしょう。

通貨の誕生

通貨は人類にとって、火と同じぐらい古くから使用されていました。古代の人たちは分業により自分の生産物を他人の物と交換する機会が増え、共通に価値が認められる便利の仲介物が必要になり、通貨が自然に現れました。古代から人類は沢山なものを通貨にしましたが、安定して通貨になれるものは以下五つの性質が必要になります。

  • 希少性
  • 確認可能性
  • 分割可能性
  • 交換可能性
  • 携帯可能性

人類の歴史の中で通貨の五つの性質を全て満たすものがありませんでした。ゴールドでさえ分割可能性と携帯可能性に欠けていました。古代にどんなものでもある程度この五つのの条件に満たせば、通貨として使用されました。例えば、石や貝殻、金属、象牙などは通貨として使用されたことがあります。金と銀のような貴金属は通貨の性質としてほかのものより優れているため、徐々に通貨の主流になり、金貨のような硬貨が作られ、使用されていました。金や銀は世界のどこでもその価値が認められ、その後国間の貿易決済に使用され、世界共通通貨となっていました。

国家通貨

通貨は最初に民間で現れ、終には国の政権に発行権が握られるようになります。政府は通貨の発行権(製造権)を独占することで、金と銀の硬貨を製造する時に安い金属を混入させ、変造することがしばしばありました。

紙幣

硬貨を大量に携帯する時の不便さから、1023年に中国の宋朝で「交子」という世界初の紙幣が発行されました。価値の保証は政府が所有している金や銀と交換できるという政府の信用になります。

紙幣は、貴金属の実物から解放され、使いやすさと携帯しやすさなどに優れており、近現代では流通している通貨の主流形態になっています。しかし、有事の際政府は所有している金や銀以上に紙幣を発行し、通貨の実質価値が時間に連れて低下する欠点があります。

国管理下の通貨の価値はいずれも保全できない状態になります。

金本位制の廃止

国管理下の通貨が近代になると、金と銀などの裏付けるものもなくなりました。米ドルは1971年までにゴールドを裏付けるものにする金本位制を採用していましたが、1971年8月15日ニクソン大統領が米ドルを金本位制から切り離したその瞬間に米ドルは完全にアメリカ政府の信用で支えられるようになり、ただの信用証書となりました。

近代では金と銀は投資資産になり、通貨として使用されなくなりました。現代では各国個別に発行されている通貨は全部その政府による信用証書で、中には米ドルは国際石油取引でメインの決済通貨として使用されるなど、徐々に世界の基軸通貨になりましたが、真の世界共通通貨ではありません。世界中にドルが直接使えないところや自国通貨がドルと自由に交換できない国はたくさんあります。米ドルは米国一国の管理下で、全世界のドル流通を監視・コントロールできるので、一国の通貨に依存するのは不平等な国関係になり、また米国と敵対関係の国は当然米ドルの使用を避けています。

カンティヨン効果

18世紀の経済学者リチャード・カンティヨンによって定義されたカンティヨン効果は、現代の通貨システムで発生する不平等のマクロ経済現象を説明しています。 国の中央銀行(米国では連邦準備理事会「FRB」、日本では日本銀行)は、法定通貨を無限に流通(印刷)することを可能にする”印刷機”を持っています。現代の通貨システムは、主に中央銀行が発行する利息を持つ債務を通じてお金の発行を行います。中央銀行はJPモルガンやシティバンクのような大手商業銀行に低金利でお金を貸し、商業銀行はさらに超富裕層や企業に低金利で貸し出し、彼らは株式や不動産などの資産に低金利で投資でき、資金の流入で株式や不動産が上昇し、彼らに利益をもたらします。

このようなカンティヨン効果で、国が新規発行したお金は平等で全国民に行き渡るのではなく、政府・中央銀行・商業銀行に”近い”繋がりを持つ企業・富裕層に初めに行き渡ります。反して一般民衆は思ったほどその恩恵を受けられず、それに加え通貨の増発によるインフレを受けることになります。

国家通貨の脆弱性とインフレーション

国管理下の中央集権的な通貨と金融システムは透明性の欠如などで、不正が容易に起こり、不平等・不公平の状態になります。国による発行している法定通貨は少数の先進国ではより安定していて、より安全に見えますが、独占的な国家通貨システムは脆弱で、管理能力が弱い国ならさらに混乱に落ちやすいです。1970年から2010年の間に、国際通貨基金(IMF)は毎年平均10件、全体で425件の体系的な銀行、金融および債務危機を報告しました。

体系的な銀行危機とは、多くの銀行が同時に深刻な支払い能力または資金流動性の問題に直面している事を言います。最悪な場合、銀行システムが閉鎖され、企業や消費者が資本に飢えているため、結果として生じる一連の破産は、長期にわたる景気後退を引き起こす可能性があります。

銀行にある自分の貯金は自分のお金という保証がありません。ラテンアメリカの国々では、過去に政府は国民の口座を閉鎖し、国民の資金を押収することは何回も事例がありました。例えば、1982年にメキシコ政府はすべての国民の米ドル口座を閉鎖し、口座にある米ドルを強制的にペソに換金しました。2001年には、すべての米ドルとペソの口座が90日間凍結され、人々はペソ口座から制限された額しか引き出せませんでした。2008年の後半、アルゼンチン政府は世界的な大金融危機の中に年金基金を押収しました。メキシコの億万長者実業家であるリカルド・サリナス・プリエゴは米ドルやユーロのような法定通貨を「紙と嘘で作られた偽のお金」と呼びました。こういう背景にラテンアメリカではビットコインや他の仮想通貨が急速に普及しています。

現在国家通貨は政府の信用証書に過ぎず、政府が崩壊すると、通貨と金融システムも崩壊することになります。例えば、2021年8月にタリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧し旧政府を倒した以降、アフガニスタンの通貨アフガニは史上最安値まで下落しました。その後、アフガニスタン人による仮想通貨の取引や使用が急増しています。

管理能力が弱い国では、通貨を大量に発行させ、高いインフレションを起こし、最悪の場合はハイパーインフレが発生します。ハイパーインフレとは物価が年間数倍以上上がる超インフレ現象をいいます。通貨が事実上紙切れのように価値を失い、統制不可能な状況です。米フォックスビジネスによると、2018年までに世界で57件のハイパーインフレが発生しました。

直近でハイパーインフレに陥った代表的な国はベネズエラです。4年以上ハイパーインフレが続いたベネズエラは最近通貨改革を実施しましたが、状況の打開は容易ではなさそうです。国際通貨基金(IMF)は2021年末にベネズエラの物価上昇率が5500%に達すると予想しました。ベネズエラは2021年10月1日、通貨ボリバルを100万分の1への切り下げを実施しました。自国通貨を保有すればごく短期間で紙くずになってしまう恐れがあるので、ベネズエラでは自国通貨が全く信用されず、仮想通貨の普及は急速に進んでいます。

一部の小国は管理コストと管理能力面で自国通貨の発行・管理を維持するのが困難で、自国通貨をやめて米ドルを法定通貨にしています。自国通貨を持たない国の中央銀行は、政策金利(金融緩和・金融引き締め)や公開市場操作(買いオペ・売りオペ)などを実施できず、米国のインフレで自国の資産価値も下がり、自国の金融と経済は完全に米国に左右されています。

先進国でも、2020年からのコロナパンデミックによる未曾有の金融緩和でインフレが深刻化しています。米国は2022年2月の消費者物価指数は前年同月比7.9%上昇、40年ぶりの高い伸びとなりました。

インフレは国民に対する政府が課す税金と見なすことができ、立法なき課税です。

インフレははるかに高い“税金”です。なぜなら、所得税は一年間の収入に一度だけの支払いに対し、インフレが2%の場合、あなたの純資産に対して毎年課せられます。

ドキュメンタリー映画「ビットコイン: 我々が知るお金の終焉」より

ビットコインに対する誤解

世の中にビットコイン不信の人がまだ多くいます。ビットコインに対して認識不足、誤解を持っている場合が多いです。

誤解1 ビットコインは価値がない

お金が価値を持つのは、人々がそれを使い、「価値がある」ということに合意があるからです。今世界中でどの法定通貨にもゴールドのような裏付けものはなく、各国政府の信用のみで成り立っています。

ビットコインの価値の所在はビットコインのマイニング作業で取引をコンピュータにより素早く処理するネットワーク、安全かつ改ざん不能な記帳システム(ブロックチェーン)を提供することで、この貴重な”サービス”でビットコインの価値を創出していると言えます。銀行業は同様なサービスをマンパワーにより処理、完結している為手数料などで非常に利益が出るのはそのためです。ビットコインの価値を裏付けるのは、その”サービス”の価値と言えます。

ビットコインが誕生した当初は”コイン”自体に価値がなく、価格が値付けられていませんでした。ナカモト・サトシはどのようにしてビットコインの価値が出るか、以下のことをビットコインのフォーラムに書きました。

思考実験として、金のように希少な金属があったと想像してください: 色が退屈な灰色、電気の良い導体ではない、特に強くない、延性または可鍛性がない、実用的または装飾的ではない、1つだけ特別な魔法の特性を持っている: 通信チャネル上で輸送することができます。それは何らかの理由で何らかの価値を得た場合、遠距離で富を転送したい人はいくつかを購入し、それを送信し、受信者はそれを売ることができます。

ビットコインに価値があると認めている人はビットコインを法定通貨と交換し、支払いの決済に使用すれば、ビットコインの価格が付けられるようになります。世界初の現実世界でのビットコイン取引は、プログラマーのLaszlo Hanyecz氏が2010年5月22日、1万ビットコインでパパ・ジョンズのピザを2枚購入しました。1万ビットコインの価値は2022年2月現在約450億円になります!

誤解2 ビットコインの用途は、ほとんどが犯罪取引の決済である

実際にどの法定通貨も犯罪に使われています。犯罪に使用される額で断トツトップになっているのは米ドルです。大手仮想通貨分析企業Chainalysis社のレポートによれば、2019年の仮想通貨全取引量(約214億ドル)のうち、犯罪行為で利用されたものはわずか2.1%であることが判明しました。2020年には、この数字はわずか0.34%にまで低下し、さらに2021年は仮想通貨の犯罪利用率は0.15%にまで減りました。同取引量で比較した時に米ドルやユーロではこの比率が2%から5%にあり、従来の法定通貨と比べて仮想通貨が犯罪に多用されているイメージは誤解です 。米国財務省が2022年3月に発表した報告書は、金融犯罪の大部分が依然として法定通貨を使用していることを示しています。

実際のところ、仮想通貨は法定通貨などの紙幣と違い、ブロックチェーンはデータがネットワーク上に公開されているという透明性を持ち、規制当局が違法行為の探知と阻止能力の向上に役に立っています。ブロックチェーン上には取引履歴が記録として残るため、犯罪捜査において犯人の特定が従来の現金取引よりも容易になる場合があります。

最新の調査データによると、不正や証券法違反によって米国の規制当局から仮想通貨業界に対する罰金は、過去20年間に伝統的な金融企業に対する罰金の1%未満になっています。2009年から2021年初にかけて、仮想通貨関連の違反に対する罰金は米国で合計25億ドルに達しますが、グッド・ジョブズ・ファーストのデータによると、過去20年間に銀行、投資会社、ブローカーから3,329億ドルの罰金が課せられました。

例えば、バンク・オブ・アメリカは証券違反を含む251種類の罰金を合算すると約820億ドルにも上ります。ほかに米国で罰金の多い銀行としては、JPモルガン・チェースとシティグループは2000年以来、それぞれ359億ドルと255億ドルの罰金が課せられました。

誤解3 ビットコインは詐欺である

ビットコインが誕生してから13年にもなり、普及が進み、主流の金融システムに浸透し、「ビットコインはポンジ・スキームのような詐欺だ」と断言することは、ビットコインによってすでに達成された真の革新と変化を無視することになります。

ビットコインが宣伝どおりに機能するという最も説得力のある証拠はその過去13年間の歴史です。ビットコインが存在し続ける時間が長ければ長いほど、それを真剣に受け止めるべきです。

ビットコイン以外の仮想通貨は新種も着々と誕生し、今や仮想通貨の種類は8000以上にも上ります。中には詐欺のものは確かに存在していますが仮想通貨産業が成熟するにつれ、詐欺の事例は減少しています。2020年、仮想通貨詐欺は2019年に比べて57%減少し、被害額も45億ドルから19億ドルに減少しました。

誤解4 ビットコインの採掘(マイニング)は電力を使いすぎ、環境に悪い

今世の中に、ビットコインのマイニングはエネルギーの無駄遣い、エネルギー不足を引き起こすという批判的な議論が出ています。全世界のビットコイン採掘によるエネルギー使用量はアメリカのクリスマスライトよりも少ないです。仮想通貨投資会社CoinSharesは、世界のCO2排出量のわずか0.08%がビットコイン採掘から来ることを示しました。ケンブリッジ大学オルタナティブ・ファイナンス・センターのレポートによると、ビットコイン採掘は年間推定134TWhのエネルギーしか使用しておらず、中国と米国の年間電気使用量のわずか1.9%と3.5%です。

またコンピューターの性能はモーアの法則で右肩上がり、同じ処理量でも使用するエネルギーが徐々に減っています。さらに人類はクリーンエネルギーを探し、開発し続け、いずれエネルギーの心配も必要なくなると見込まれます。例えば、エルサルバドルとトンガは火山の地熱発電をビットコインマイニングに供給する予定です。2020年に発表された調査結果では、2019年にビットコインマイニングの総エネルギーの39%が再生可能エネルギー源から来ており、前年の2018年は28%でした。ビットコインマイニング評議会(BMC)は、2021年に世界のビットコインマイニングの58.5%が再生可能エネルギーを使用しているデータを公開しました。因みにBMCに加盟している採掘企業の場合は66.1%でした。

各国は法定通貨を発行・管理するために多大な資源と人力を使用し、結果的に膨大なエネルギーを使用しています。その伝統的な通貨と金融システムを維持するには、エネルギーもたくさん消費されていることを忘れてはなりません。米ギャラクシー・デジタル社の調査によると、ビットコインマイニングによるエネルギー消費量は全世界の銀行システムとゴールド採掘による消費量のほぼ半分しかありません。米国の金融産業は世界各国の二酸化炭素排出量でみると、ロシアに次ぐ世界第5位となるそうです。

誤解5 ビットコインはいずれ各国政府の禁止や規制で消滅する

ビットコインは中央制御機構を持たない為、「停止」をさせることはほぼ不可能です。「停止」をさせる唯一の方法はビットコインネットワーク上すべての参加者をそれぞれ停止することです。理論上インターネット全体をシャットダウンさせることができない為、必然的にビットコインネットワーク自体を止めることはできません。

ロシアのアントン・シルアノフ財務大臣は同国で仮想通貨を禁止するよう求め続けるロシア銀行に対して、以下を語りました。

ビットコインのような仮想通貨を禁止することは不可能であり、インターネットを禁止することと同じだ。

中国のような中央集権の国はビットコインや仮想通貨を禁止することはできますが、米国のような民主的な国では、ビットコインを支持する民衆や議員が居る限り、違法として禁止することは考えにくいです。実際に米バイデン大統領は2022年3月9日、仮想通貨に関する大統領令(行政命令)に正式に署名しました。この大統領令は「デジタル資産の責任ある発展の実現」を挙げ、消費者保護、金融安定性の確保、国家安全保障、気候変動と言う課題に対応すると共に、民主主義的価値や米国の国際的な競争力のもとで、デジタル資産領域を主導する役割を米国が担うべきと述べています。2022年3月時点で、アメリカではすでに約4千万人(人口の16%)が仮想通貨に投資または取引をしていると報告されています。

中南米のエルサルバドル共和国はすでにビットコインを法定通貨として採用し、他に複数の国もエルサルバドルを追随しようとしています。一部の国はビットコインを禁止しても、全世界の国がビットコインを禁止することは考えられません。ビットコイン過去13年間成長の歴史はビットコインが将来もさらに成長・普及する最も説得力のある証です。

エルサルバドルは如何にして形のない”通貨”「ビットコイン」を法定通貨として定めたのか、是非ご覧ください。

エルサルバドル!ビットコインの法定通貨化、成立ちからその後

ビットコインが人類史上最高の通貨

ビットコインは通貨としてゴールドと比較すると、五つの性質を完全に持っている上に安全な記帳システムを提供し、世界範囲で取引するネットワークも提供しています。通貨としてはるかに優れています。

ビットコインはよくデジタルゴールドと呼ばれ、簡単に採掘できないという意味でゴールドに似ており、一方、ビットコインはインターネット上で瞬時に送金でき、ゴールドでは不可能な方法で世界的な商取引を可能にします。

希少性

ビットコインは設計上発行上限が2100万枚に限られ、約4年毎に新規発行(採掘報酬)が半減する「半減期」が設けられ、希少性が保たれています。2021年12月14日でその発行上限の90%となる1,889万BTCが採掘され、大きな節目に到達しました。最初の90%の採掘は約12年かかりましたが、残りの10%は4年ごとの採掘半減期によって約119年かかります。

現在ブロックチェーン上の1ブロックを生成する度にマイナーは6.25ビットコインを報酬としてもらえます。1ブロックの生成は平均所要時間が約10分間で、1日で約900枚のビットコインは新規にマイニングによって発行されます。例えば、ビットコインの価格が4万米ドルなら、それは1日3600万ドルで、年間131.4億ドルになります。

ビットコインのマイニングとは?

既に採掘されたビットコインの内、実に78%に及ぶ1,450万BTCが”非流動的”な所有者によって長期保有され 、さらに月10万BTCのペースで”流動的”から”非流動的”に移行しているという統計が報告されているため、”流動的”なビットコインの希少性はますます高まっています。

世界初ビットコインを法定通貨に採用したエルサルバドルのブケレ大統領は、ビットコインの希少性(発行上限:2100万枚)について、「全世界にいる5000万人以上の億万長者がそれぞれ少なくとも1枚のビットコインを所有する場合、十分なビットコインはない、半分でも足りない。劇的な価格上昇は時間の問題」と述べました。

アメリカ政府は必要な時にドルを自由に印刷できると反対に、ビットコインの総発行量と発行スピードはだれ一人また一国の管理下ではなく、「サトシ・ナカモト」が設計したシステム上で安定かつ透明になっており、人類史上「最も操作困難」な通貨になっています。

地球上にまだ採掘されていないゴールドは推定5万トンがあります。採掘技術の向上とゴールド価格の上昇によって採掘活動が多くなれば、大量のゴールドが採掘され、市場に流入すればゴールドの価格は下落することになります。ゴールドと比べ、ビットコインの希少性ははるかに高いです。

ビットコインは普及が進むに連れ、希少性がさらに高まり、性質上デフレ資産になっており、インフレヘッジとして注目されています。

安全性

ビットコインの基盤となるブロックチェーン技術は世界中で使用されており、世界中の技術革命を牽引しています。ブロックチェーンは、データの正統性を公的に検証可能にする透明性と、データの改ざんを防止する不変性を持っています。

ビットコインは、仮想通貨の先駆けとしてすでに知名度と規模が他の仮想通貨を圧倒している優位性を持っています。 それは最も大規模で最も安全かつ分散化された流動性のあるネットワークを持っているので、そのネットワークが攻撃されたり、取引記録が改竄(かいざん)されたり、ビットコインが盗まれる可能性は非常に低いです。ビットコインのマイニングに参加するマイナーが増えれば増えるほどビットコインがより安全になります。

国管理下の通貨と金融システムでは通貨の切り下げや、緊急時に国民の資産を凍結、押収することも可能ですが、ビットコイン財布にある資産は非中央集権のシステムに保護され、自分の財布にアクセスする専用暗号キーを持っていれば、永遠に自分の資産であり続けます。ビットコインは世界各国が発行している法定通貨よりもはるかに安全です。

ビットコインの安全性について、こちらの記事も併せてご覧ください。

仮想通貨の安全性

平等・公平な通貨

2020年からのコロナ禍で世界の主要経済大国の中央銀行や政府による前例のない金融緩和で、金利が過去最低水準になり、カンティヨン効果のように、富裕層が新しく増発した通貨(資金)を低金利で優先的に入手し、より豊かになると同時に、貧困層がインフレの影響で逆に貧しくなり、富の格差が拡大しています。

ビットコインは現在の通貨システムのカンティヨン効果による社会の不平等、不公平、不正をなくし、新しいお金の発行を政治と切り離し、はるかに公平な通貨です。

ビットコインシステムは、政治家と銀行家の優先権を排除し、誰でも平等で採掘に参加できます。ビットコインシステムは採掘者なしでは機能しないため、採掘に参加することを奨励するように採掘者がビットコインを貰えます。10分ごとに、ネットワーク上すべてのマイナーは、平等で新しく発行されたビットコインや手数料を報酬として獲得するチャンスを持っています。誰もがインターネットに接続しているコンピュータを持っていればすぐにマイナーになれます。

送金が速い!安い!

ビットコインは非中央集権の分散型という性質で、人々がビットコイン財布を持っていれば、それが自分の銀行になります。銀行や仲介業者がいなくても、人々がビットコインを決済で使ったり、投資を行ったり、世界中の誰にも仮想通貨財布さえあれば送金したりすることが可能になります。銀行のような取引”中間役”を省いたため、取引手数料が非常に安くなります。1年中24時間稼働しているビットコインシステムでは金融取引は速い!安い!と大きな将来性が潜んでいます。これはまさに通貨の最高形態と言えます。

例えば、2021年9月13日、Blockchain.comのデータによると、20億ドル(約2190億円)巨額のビットコイン送金は手数料わずか0.78ドル相当のBTCで行われました。過去にも2020年8月、10億ドル相当のビットコイン取引が4ドルの手数料で行われた記録があります。

法定通貨を既存の銀行システムで送金する場合、送金額の1~3%にのぼる高額な取引手数料が掛かります。20億ドル相当の取引をした場合、2000万ドルから6000万ドルの費用が掛かり、また処理に1~4営業日かかることが多いです。対照的に、ビットコインの送金は時間帯に関わらずほぼ瞬時に行われます。

ビットコインの価格変動

ビットコインは依然として比較的新しく、まだ広く採用されていないため、価格発見段階にあり、世界中の投資家・規制当局・ユーザーが需給ダイナミクス(需要と供給のバランス状況)に影響を与えるにつれて、価格は変動します。ビットコインはゴールドと同じように金利や配当がつかないので、金融工学の将来キャッシュフローによる現在価値算出方法では、ビットコインの理論価格を算出できず、基準が定められないため、市場心理や重大イベントで価格が大きく変動しやすいです。

価格発見とは、商品やサービスの市場価格を決定するプロセス(過程)です。
金融工学とは、値動きのある金融商品のリスク・リターン・理論的な価格などを、数値化、分析、リスクヘッジやリスクマネジメントに役立たせたり、投資や資産運用の意思決定に役立たせたりすることを研究する学問です。
理論価格とは、取引において、金利や満期日までの日数などを考慮して計算される予想価格です。

ビットコインの価格変動が激しく、通貨として価格の安定性が欠けているという見方もありますが、経済力の弱い国の通貨は対ドルの為替変動率がビットコインよりも激しいものが世界中に数多くあります。日本が先進国で円が安全通貨とも言われていましたが、2021年から2022年前半にかけて大幅に進行した円安で、1年で対ドル20%以上にも下落しました。

ビットコインの普及が日々進み、ビットコインを所有し、取引する人が多ければ多いほど、価格・時価総額が上昇し、その価格が高ければ高いほど1人の投資家や重大イベントにより資産価格を動かすのは難しくなります。したがって、ビットコインの価格の変動率(ボラティリティ)は時間の経過とともに小さくなると予想されます。

ビットコインはかつて1人の投資家の発言により価格が急騰・急落していました。

イーロン・マスクの軌跡、仮想通貨との葛藤

米大手資産運用会社モーガン・クリークキャピタルマネジメント創設者兼最高投資責任者マーク・ユスコはビットコインの価格変動について、以下を述べました。

価格を気にしないでください。

価格に騙されないでください。それは本当の価値ではありません。

それは、2人が一定の金額で交換することに合意した価格です。

あなたが所有したいのは、この素晴らしいネットワーク・このデジタルゴールド・このお金の未来です。

ビットコインは価値の”保存”または”交換”の最良な方法として徐々に認められ、現在価値の”保存”として投資対象となる各資産クラスの価値を取り込み、ビットコインの価値・時価総額が大きく上昇するとともに他の資産クラスの価値が下がることが推測されます。他の資産クラスの価値が下がるという”リスク”を対処するために、少量のビットコインに投資するのは賢明です。

資産クラス(アセットクラス)とは、投資資産の種類や分類のことです。 株式、債券、不動産、貴金属、現預金などが、近年ビットコインも資産クラスとして認められつつあります。

ビットコインは誕生して以来13年間年率換算で平均毎年200%上昇していました。これは、世界のあらゆる資産の中に最大のリターンです。2021年末時点で、世界各国の法定通貨と比較すると、14番目に時価総額が高い”通貨”です。

金融機関、投資家の態度転換

先入観により現在各国政府の信用で発行された法定通貨を”通貨”のあるべき姿と思い込み、ビットコイン不信な人がまだ多いですが、世の中の常識や価値観の変化は激しく、固定概念に囚われず、実際に通貨の本質を理解し、ビットコインの原理を理解すれば、見方も変わるでしょう。

ビットコインコミュニティでは、「あなたはビットコインを変えない。ビットコインはあなたを変える。」というよく知られる諺(ことわざ)があります。

2018年以降、VISA、JPモルガン、ゴールドマン・サックスなど多くの大手金融機関はビットコインに対するスタンスを転換しました。

最も大きく転換したのはJPモルガンのCEOジェイミー・ダイモンです。ダイモンCEOは2017年、「ビットコインは詐欺」、同行のトレーダーがビットコインの取引を行ったら解雇すると言明しましたが、現在この世界最大の投資銀行はビットコインを投資資産として推進しています。

米投資銀行大手ゴールドマン・サックスの元CEOロイド・ブランクファインは2017年11月、「ビットコインはバブルの一種かもしれない」と述べ、懐疑的なスタンスを示しましたが、4年後の2022年1月、仮想通貨価格が大きく下落し、数千億ドルが蒸発しているにもかかわらず、CNBCのインタビューで彼は「瞬時に送金や信用リスクの軽減など仮想通貨とブロックチェーン技術の利点が明らかで、生態系全体が成長している」と述べました。また彼は次の意味深いことを話しました。

それがうまくいけば、それは原始硬貨から法定通貨へさらにコンセンサス(合意)通貨への自然な進歩かもしれません。

「オマハの賢人」と呼ばれる投資家ウォーレン・バフェット氏は、特にフィンテックなどの分野への投資に慎重で、過去にビットコインのような新興の分散型金融システムを軽視し、”何も生み出さない資産”と揶揄(やゆ)していました。

しかし、2022年2月14日に提出された証券書類によると、バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは2021年第4四半期に10億ドル相当のNubankクラスA株を購入し、VISAとマスターカードの株式をそれぞれ18億ドルと13億ドル相当売却しました。Nubankはブラジル最大のフィンテック銀行で、2021年6月からビットコインの上場投資信託(ETF)を積極的に提供しています。同国でビットコイン人気の投資先となっています。

Nubankへの新たな出資は、バフェット氏がフィンテックに対する態度を転換し、金融サービスのデジタル化を進めるフィンテック分野への認識と、仮想通貨分野に関わる企業へ関与しようとする意欲を示すものです。

ビットコインが真の世界共通通貨になる

国間の交流や貿易が盛んでいる現在の世界は共通・平等・公平・安全な通貨が必要です。米ドルは世界で一番流通している通貨ですが、真の世界共通通貨になれません。米ドルの発行権は米国にあり、米国は全世界のドル資産を監視・コントロールできるので他国にとって平等・公平ではありません。米国と敵対関係の国はさらにドルに依存するのを避けたいです。米国が自己都合でドルを増発し、インフレを起こした場合は全世界の利益を犠牲にしています。増発したドルは当然米国所有になりますが、インフレで全世界のドル資産の価値が下がり、とても平等・公平ではありません。

ビットコインは通貨を国家から分離し、政府の管轄外にあるシステムで、政府の権力と恣意的な決断に影響されず、真の公平かつ平等な世界共通通貨になれます。

仮想通貨は発展途上国にとっては金融包摂(ほうせつ)を拡大し、世界中の誰でも世界の経済活動に参加でき、安全かつ低コストな取引を可能にしています。

金融包摂(ほうせつ)とは

経済状態や居住地などに関わらず、誰もが必要な金融サービスを利用できるようにすること。

2022年2月24日にロシアの侵攻から始まったウクライナ戦争で、米国とその同盟国がロシアに厳しい制裁を課し、ロシア・ルーブルが対ドル30%以上も暴落し、ロシア中央銀行は2月28日に預金流出を阻止するために主要金利を9.5%から20%に引き上げました。ルーブルが崩壊しかねないという懸念からロシア人によるビットコインの購入が急増しました。ロシアの金融システムよりビットコインを信頼する人が増えているようです。

戦争など異常な状況で国が管理する法定通貨の脆弱性と仮想通貨の優位性は明らかです。国民は政府不信になると、その国の通貨も正常に機能しなくなります。ウクライナ戦争では国境を越えて巨額の資金を迅速に移動でき、各国の状況に影響されず、どの国にもコントロールされないという仮想通貨対法定通貨の優位性が見せられています。

戦争、内戦、国家の破綻、経済ショック、通貨の崩壊、そのような巨大リスクを回避する解決策は、世界共通通貨になるビットコインです。

世界各国独自の通貨が廃止され、ビットコインが世界共通通貨になる世界を想像してみてください。世界のどこでもビットコインによる決済でき、国内・国際送金は24時間瞬時にできるので、国際旅行、国際貿易はどれほど便利になりますか!オリンピックのような全世界の人々が集まるイベントで、為替交換が一切要らず、自分の国に居るかのようにビットコインで買い物ができます。各国は独自に通貨を発行、管理するコストもなくなり、為替レートの大きい変動による国際貿易のリスクもなくなります。

そんな理想な世界を実現する可能性を秘めているのはビットコインです。人類は今まで何千年も国による国家通貨を論なく使っていますが、ビットコインはお金と国家を分離するという発想を我々に与え、政府の手から通貨発行権を切り離す機会を提供しています。ビットコインは今までに考案された最も健全な通貨で、地球上で最も民主的な平等主義の”通貨”です!まさに人類史上最高の”通貨”です!

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